新年最初になに書こうかなって、いろいろ考えましたの。
 結局いつもどおりですの。

 Amazon倉庫で身分を隠して働いた記者が語る「過酷な労働環境」とは?
 http://gigazine.net/news/20140415-amazon-quitting-program/

 Amazonが倉庫ロボット1万5000台を導入し最大1000億円の人件費削減へ
 http://gigazine.net/news/20141202-amazon-kiva-robot/

 この二つの記事を順に読むと、すごくおもしろい流れになっていますの。

 一つ目の記事では、「Amazonの倉庫での労働は、低賃金で、しかも極限まで効率を高めた機械的(=非人間的)な労働だった」ということが書いてありますの。

 二つ目の記事では、それが「ほとんど機械に置き換わって、しかも前より安くなった」ということが書いてありますの。

 そう、機械的な作業を人間にやらせるから非人間的なのであって、機械にやらせてしまえばよかったのですの。めでたしめでたしですの。

 これの何がおもしろいのかというと、次のような道順が現実にあることが確定したところですの。

 「効率を高めた機械的な労働」
  ↓
 「機械化」

 つまり、おそらくどんなタイプの労働であっても、うっかり「効率を高めた機械的な労働」という段階に達した時点で、それは機械化されますの。労働者の側から見れば、失業するということですの。

 機械でやるほうが高くつく、という最後の砦も、機械的な作業を機械化することのハードルの低さの前には、砂のお城もいいところですの。さらさら。

 ところで、最近の企業がよくやる「コア業務だけを正社員(すくない)に任せて、末端の実働部隊は非正規社員(たくさん)に任せる」という体制は、見方を変えれば「機械的な労働と、そうでない労働の選別」とも言えますの。正社員がやっていた仕事でも、単純作業として抜き出せるものは非正規社員に投げようという話ですの。

 でも、単純作業として抜き出して非正規社員に投げた労働は、手順が洗練されるにつれ、その先で、さらに純粋な単純作業として機械に投げられていたりするのですの。

 すると全体としては、「正社員の労働が、非正規社員を経由して機械にたどり着く」という道順が出来上がっていることになりますの。

 いつまでも、あると思うな親と金。
 そんな言葉のうしろに、さらっと「労働(仕事)」まで増えてしまった世界で労働するのは、あんまり心の安らぎにはならないですの。

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