生活困窮者自立支援法案っていうのが成立する見通しらしいですの。
ダイヤモンドの記事がおもしろかったので、メモ代わりに少し書いておくのですの。

「自立支援」は、生活保護費削減の切り札か? 貧困の拡大を助長しかねない「困窮者自立支援法案」を検証

この法案を大雑把にまとめると、生活保護費の圧縮のために生活困窮者を”とりあえず”職に就かせようっていうものですの。

支援の入り口として、住居の確保に給付金を出したり、相談窓口を作ったり、その辺りはいいと思いますの。

ただ、その次のステップとして中間的就労(生活困窮者就労訓練事業)を持ってきていることに疑問がありますの。今はちょっと訓練を受けたくらいで、まともな職に就けるような状態じゃ無いですの。

中間的就労の次に待っているのは、こんな三択だと思うのですの。

A.(一般就労)サービス残業その他で、実質的に最低賃金を割るブラック企業で非正規雇用
B.(生活保護+中間的就労)期限が明記されていないことを利用して、中間的就労にしがみつく
C.(生活保護)ふりだしに戻る

さらに言えば「中間的就労を終えたんだから働く力はあるはず」って言われて生活保護を打ち切られてしまうと、ブラック企業以外の選択肢が消えますの。また、それを回避するために中間的就労の状態をキープし続けるのも、さすがに限界があるように思いますの。

つまり、生活保護の受給者が中間的就労に手を出すと、いずれブラック企業に送り込まれることになって、最後は心身を壊して生活保護に戻って来るしくみですの。死なずに戻って来られれば障害者扱いで少し優遇は受けられるかも知れないけど、それって幸せなことなんですの? もちろん生活保護費も減らせないですの。

内容自体はそう悪くも無いのですけど、タイミングというか順序が最悪過ぎて酷いことになりそうですの。


参考

生きられる社会へ:生活保護の今 本格的に働くまでの準備「中間的就労」 若者「自立」の訓練場に
(ちょっと古い、法案とは直接関係ない記事。無給の職業体験の例)

厚生労働省 第183回国会(常会)提出法律案
(法案の原文など リンク先ページ下の方)

賃金を学ぶ > 最低賃金制度
(最低賃金の例外)

女性手帳つづきですの。

不評の「女性手帳」当面配布見送りへ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130528/t10014885871000.html

残念ですの。
骨抜きっていうか腰抜けもいいとこだと思うのですけど、まあ、政治も人気商売なので仕方ないですの。

どうして今さらそんな話をするのかというと、今朝、テレビでトルコの大規模デモのニュースを見てて思い出したことがあったからですの。

このあいだ、たまたま自称(*1)女子大生の子と女性手帳の話をすることがあって。

そしたら「国が個人の生き方に口出しするとは何事か」「男性手帳も作るならまだしも」「うちの身内は高齢で産んだけど立派に育ってる」「こんなの読んで出産を諦めてしまう人が出たら国は責任とれるのか」とか、見事に憤ってて、受け取り方の違いってやっぱり大きいんですのー、、って思い出を一つ作ったところだったのですの。

それで、今朝の番組の解説コーナーでやってたのが「背景にはイスラム化への反発が!」という話で、内容の例で出てたのが「飲酒禁止法」は既に可決されて施行待ち、次は「国営地下鉄内でのカップルのイチャイチャ禁止法」を提出予定っていう、世にも厳しいイスラム事情だったのですの。

国が国民に干渉しようするとき、その手段によって強制力は何段階にもわかれる(*2)のですけど、その中で、女性手帳とイスラム化は、ちょうど対極の位置にあると思うのですの。法律で決まっていて、たぶん罰則もついてそうな(*3)イスラム化の動きに比べて、法的な強制力は一切ないし、努力義務すら無い女性手帳。

トルコ基準が正しいということでは無いけど、そういう派手な実害レベルでせめぎ合ってるところの話を聞くと、実質、ACの「ぽぽぽぽーん」以下の影響力しか無いものに対して、日本人はやっぱりどこか繊細過敏すぎるように思いますの。

まあ、言い換えると、本当にその程度のものなので、こんなに長文で書くほどのことですら無いのですけど、、ただ、政治的な意図はあるにしても、仮にも「科学的知識を広める」ということに対して、好き嫌い(*4)でクレームが入って頓挫する流れはこれ一回で終わりにして欲しいなって思いますの。


*1)ネット上のお付き合いなので実際どうかはわかんないですの。そこそこ付き合い長いから特に嘘は無いと思うけど。。

*2)努力義務、義務、罰則なしの法律、罰則付きの法律とかいろいろですの

*3)いちおう調べたけど詳しい話が見つからなかったのですの。。ただ、厳しいイスラム教の国で罰則なしってことは無いと思ったのですの。

*4)広めようとしてる内容に嘘が混じってるとか、意図的にひどい抜粋・引用してミスリードを誘ってるとかならわかるのですけど。その前の段階でいきなり否定にかかってるのは、好き嫌い以外になんて言えばいいのかわかんないですの。


参考…?:海外旅行で要注意?世界のありえない「変な法律」10個【前編】
http://www.men-joy.jp/archives/46580

参考:五輪目指すイスタンブール、再開発反対デモ拡大
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130602-OYT1T00540.htm?from=ylist

女性手帳ですの。
まだ、くわしい中身も決まってるわけじゃないみたいだし、
よくわかんないのですけど、

http://diamond.jp/articles/-/35837
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130512/247928/?bv_rd
こういう論調多いみたいですの。
乱暴にまとめると、女子にばっかり負担を押し付けるな!って話ですの。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130505/plc13050511030006-n1.htm
でもこのあたりを見る限り、そういう内容には思えないのですの。

あくまで早めの出産を勧めてるだけで、特に強制はして無いと思うんですの。否定派の人もそれは言ってるけど、知識があることは大事ですの。

むしろ、そうやって長文で批判出来る人たちは、色んな知識を持ってるんだろうなって思いますの。自分でいろいろ決められる決断力とかも。きっと。だからこそ、むずむずするんだと思いますの。

基本的に、こういうのを国が全体に向けて一斉配布するっていうのは、底上げがしたいだけだと思うんですの。選んで、わかってない人だけに配る方法が無いから、全体に配るだけ。わかってる人は笑ってタンスとかに放置しておけばいいんですの。うん。

わかってる人は、それでも国が口を出すなんて大きなお世話!って言うかも知れないですの。でも、それはわかってる人はそれでいいけど、それで手帳やめろー!って言うのは、それはそれで、わかってない人への大きなお世話なんじゃないかなって思いますの。


少し外れるけど、
この話題によく絡む気がする話として、性同一性障害の人が見たらどういう気持ちになるか考えろ!とか、男性手帳も作れ!って言うのがありますの。

でも、性同一性障害の人については、
保健体育の男女別の授業とか、プールの着替えとか、違和感が手帳どころじゃないものはいっぱいあると思いますの。それに、男性として生活してるのなら、それは戸籍上の性別と実際が合ってない(変更がなかなか認められない)のが問題なので、やっぱり女性手帳に言ってもしょうがないと思いますの。

男性手帳は、、
作っても書く内容が無いんだと思いますの。男性は放っておいても勝手に若い女性に群がるものだし、逆に少子化対策でやってる以上、選り好みしないで40代以上の女性ともどんどん結婚しなさいとは書けないですの。

将来設計についての手帳ならありかもだけど、それはもう男性手帳じゃなくて、ただの手帳ですの。それに、女性手帳が手帳なのって、たぶんパンフレットだと失くしちゃうから手帳の形にしてるだけだと思うので、パンフレット的な部分が特に無いなら手帳自体がいらないと思いますの。